鎌倉の町並みに溶け込むようにエイジングしていく外壁、大通りからパッと見ただけでは中の様子が伺いにくく、近くでじっくりとのぞき込んだり、敷地の真ん中に立ってみて、初めて建物の全容を知ることができる仕掛けがあります。
建物を1階から2階へ、2階から下を見てみて、と移動をしてみると、東西の建物はゆるやかにつながり、一体感のある輪を形成していることがわかります。敷地内の植栽や、夜間のライトの点灯など、ひとつの空間が演出によって表情を変える様は、まるで舞台美術の世界だなと感じました。
鎌倉笹目座と名付けられたこの商業施設は、全8戸のテナント区画で形成されており、そのうちの1区画を募集します。それぞれの区画で、店の個性を出すのだと思いますが、構造を表しにするデザインが全室共通のため、個々に内装を施したとしても建物全体での統一感は保たれる、という仕組みになっており、訪れる人がこの施設内で居心地よく過ごせることを考えて計画されていることがよくわかります。
入居される方は、この輪の中に入り一緒にこの場を創造していけるひと、店であってほしい。というのがオーナーの願いでもあります。思うに、この場は店という役者とお客様という観客とが一体となってひとつの作品となるための劇場なのではないでしょうか。
つまり個々の役者が個性的に演じ、それを見に来る観客が共鳴し、行き交う町の人たちも巻き込んで、五感で体感する。この場に関わる人たちすべてが共鳴したときに完成する群像劇のための舞台。それがこの施設なのでは、と感じたのです。
さて、それぞれの区画は、少しずつ違いはありますが基本的には四角形に近い形をしており、重飲食も相談ができるという条件です。トイレは共用で店内に設けなくてもいい、というのもポイントです。
ちなみに、現在の他のテナントさんは、飲食店さんが多い印象です。この施設の中でハシゴしたり、次回はこっちの店に行ってみようか、なんて会話ができそうで楽し気です。飲食店以外でも、こだわりのセレクトショップや、古着屋さんなどもちょっと謎めいた外観も相まって素敵かもしれません。
共有スペースを利用した催しをしたり、この場を利用するひとが互いに協力しあって地域に開かれたイベントを行うこともできるでしょう。
自分だけがいいのではなく、ここに集まる人たちがいいと思える場づくりを。一緒に楽しんでいただける方に、ぜひご入居いただきたいです。
※内見前に事業内容を確認させていただきます。貸主にて了解が得られない場合、内見をお断りすることがありますので、ご了承ください。 |