鎌倉から少し足を伸ばせば、まだまだこれからが楽しみな場所が隠れています。東京湾側の横須賀市長沢。この地域はまだノーマークだった方も多いはず。この不動産は長沢のエリアリノベーションのきっかけにすら成り得る、記念すべき第一歩だと思うのです。
何を隠そう、私もノーマークでした。京急長沢駅と聞いて、「あぁ、あの“横須賀市グリーンハイツ”っていう住所があるところか。」くらいの印象でした(マニアック過ぎでしょうか)。その長沢にちょっと変わった家があるから相談に乗ってみてほしいというお話しを知人からいただいたのがきっかけでした。
畑に囲まれた一軒家は現在、隣接する建物もなく、なんともクスッと笑ってしまうような場所に、ひとり取り残されているような様子でした。
いくつか複雑な権利関係を整えつつ、そして家の中にたっぷり溜め込んであった物たちを片付けていただくなど、せっせと作業を進めながら考えていました。この家を素敵な物件にするためには、古い改装前のこの家に興味を持ってもらえそうな仲間が必要だということ。すると、そろそろお披露目しようかなと思っていたところに、横須賀に地縁のある方に出会えたのです。これは本当にラッキーでした。
片付けが終わり、空き家になったが未内装なこの状態の家、さて、どうしたものか。昭和39年に建てられたこの家はオリジナルの部分は真面目な大工さんが時間をかけて建てたような印象があるし、玄関や階段周辺のラワンで造作された装飾などには遊び心も感じます(写真26枚目)。
ただ、増改築も繰り返されているようで、南側にあるキッチンや洋室などは増築され、さらにはサンルームなども足され、つぎはぎだらけでチグハグにな状態...。さらに南側の増築部分は床に傾きも感じられました。
この改装素材をどう料理するかと、みんなで腕組みをしていたところ、「いっそのこと、傾いているところを土間にしちゃうってはどうか」という思いつき。そこに皆が面白がってあれこれ意見を出し合って「それならあぁしたい、こうしたい!〇〇みたいな人たちなら借りてくれるんじゃない⁉️」などなど、現場での盛り上がりの熱量をそのままに、近所のカレー屋さんで第0回、改修計画会議がはじまったのです。
実際の解体がはじまると、さらなる驚きの連続、山あり谷あり、これぞリノベーションの醍醐味。実際に傾きのあった増築部分の床を剥がし土間部分を作っていく。続いて、台所部分の天井も落としてみると、あらびっくり!
なんと、2階和室の奥にあった物置と台所が縦空間でつなげられることが分かったのです。これでこの改修工事は「イケるかも!」と感じたのでした。この物置はロフトへと姿を変え、土間部分を上から眺めることができるのです。これはいい。
かつての物置状態とのギャップを是非ご覧いただきたい(写真9〜12枚目)。写真中央に見えるわずかな光の光源は当時の照明器具のものですが、この光に導かれるように、黙々と解体を進めていった先に、ここはロフトとなって奥にある窓からはのどかな畑の風景まで楽しめるようになりました。後はカッコ良く仕上げていけば、この物件は化ける。自信は確信へと変わってきました(私、松坂世代)。
さて、ここまでリノベーションの奇跡(軌跡)をお知らせしましたが、この物件にはそもそもポテンシャルを感じていたのです。それがこの位置なのです。長沢のこの家、2階の和室からは京急電鉄が広告に使っている風景が楽しめます。こんもりとした山とその先にある海を背景に住宅街の陸橋を赤い電車が渡って行くシーンがあります。みなさんも見れば思い出すはず。
この風景をもうちょっと遠くからですが、バッチリ楽しむことができるのです。写真2枚目は全体が分かるように、この家まで入れた引きのアングルですが、写真14枚目が2階和室からの風景です。京急の赤い電車が通っているのですがお分かりになりますでしょうか?写真だと小さいっ!
この面白過ぎる風景を独り占めできるこの家に、そもそものポテンシャルを感じていたのです。ちなみに畑の先にある駐車場は近隣の墓地の敷地です。そう、この物件の周辺には畑だけではなく大きな墓地があります。実はこの墓地沿いを流れる小川沿いに砂利道があるのですが、そこが桜並木であることはまだ地元の方にも知られていないような気がするので、内見の際にはこっそり私が教えてあげます。何度も通ったんで、コマツ、結構長沢好きになっています。
ちなみに、この物件の敷地には駐車場がないのですが、徒歩1分以内のすぐ近くに近隣の方のご協力により駐車場の確保にも成功したので、たっぷりこのエリアを楽しんでいただけると思います。是非、入居後も遊びに行かせてください! |