子どもたちに「地元」を作ってあげたかった。その地に選ばれたのが茅ヶ崎でした。なんともすんなり納得出来てしまうのが茅ヶ崎の魅力なのかもしれません。
家族が成長していく様々なシーンをどんな環境で作ってあげたらいいのか。近くに自然や公園があるか、どんな友だちができて、各種イベントや部活動、親同士の交流はどうか。そんなことを考えた時に、茅ヶ崎はそれらをやさしく受け入れてくれそうな街なのかもしれません。
実家を感じさせる空間としては、戸建のイメージがある方も多いのではないでしょうか。それこそ友だちの家にしても、「〇〇ちゃんの家に遊びに行ってくる!」って向かう先は戸建であって欲しい。という勝手な妄想。
そうして誰もが自然と納得してしまう生活をきちんと成し遂げようとした時に、「人生100年時代」が提唱され、新しい人生設計を想像することできる時代がやってきました。
前述の時期を過ごしたこの家は一度目の役目を終えつつあるのかもしれません。そう考えた時に、この家の二周目にとても興味を持ったのです。果たしてこの家の次の物語はどんなものになるのだろうか。
夫婦と子ども3人の5人家族が暮らしてきたこの家は、4LDKの部屋数多めの構成となっていて、現代では個室のいくつかはワークスペースとしても考えられるかもしれません。
特に1階のウッドデッキに接した2部屋は外からのアクセスも可能なので、プライベートとパブリックを程よく分けることができそうです。現在は子どもの友人たちの溜まり場となっているデッキですが、まだまだいじり甲斐がありそうです。
また外構ではカースペースを2台分確保することができます(サイズは要確認)。現在は駐輪&バスケットゴールで1台分は別の使い方ですが、趣味の海道具などの置き場としてもいいかもしれません。
2階のLDKは少し大人っぽい雰囲気を保ちつつも、海のある街を感じさせる開放感がある空間になっています。天井が高く空をきれいに切り取るハイサイドライトにゆったりと回るシーリングファン。そして建物に沿ってリビングをぐるりと囲むウッドデッキのおかげで、空間の広がりを感じさせてくれます。
リビングのカラーバランスもセンス良く、床や建具、棚板などの木部には渋めの色で重厚感を演出しつつ、ダイニングの壁面や家具などで様々なアレンジが出来そうな遊べる空間になっています。木製サッシや床材などは触れればやさしい素材であることも海街感があっていいですよね。天井が高いので吊るしの植物も映えます。
ウッドデッキはダイニングと連続する部分にゆったりとしたスペースを作っているので、友だち家族を呼んでのホームパーティーの時にはお父さんチームは外でビールとBBQで、ママさんチームはダイニングでワインとおしゃべり。そして子どもたちは全力でリビングとウッドデッキを回遊しつづける無限ループをしていたことでしょう。
そうこうしているうちに、子供部屋もずいぶんと成長してきたんだと思います。それぞれの部屋には個性と歴史を感じさせるように思います。ここからのこの家の第二章がはじまると思うと、楽しみでなりません。 |