ぱっと見た時に、上の家と下の庭は別々の敷地なんじゃないの?と思ってしまいますが、家も庭も同じ敷地内に造られているのです。段々になっているからこそ作り上げられた見事で不思議な構図。もはやこれはひな壇のマスターピースと言ってもいいかもしれません。
傾斜地を階段状の造成地にした土地をひな壇の土地といいますが、この物件はそんなひな壇の土地を段々畑のように、ざっくりと三段構造にしているところがユニーク。一段目から順に見ていきましょう。
一段目は前面道路に面した入り口の路地から門扉まで。この路地は幅が約3m以上で奥行きもあるため車種にもよりますが車2台は駐車できそうです。路地の両隣りから既に段だんの構図になっていて傾斜地 to 傾斜地の地形がたまりません。
門を抜けて階段を下ると玄関に到着。家が建っているのが真ん中の二段目。家に入らずそのまま横の階段を下ると三段目の庭に辿り着きます。階段を下りずに玄関を横切って反対側に行くと、ちょっとした家庭菜園ができそうなスペースも。こちらからも三段目の庭に下ることができ、家と庭をぐるっと一周できる回遊性のある造りになっています。
三段目に下りましょう。長方形の庭には芝生が生え大きな柿の木や藤棚も。隣家との境界には綺麗に刈られた植栽が程よい目隠しになっています。春〜夏にかけて青々とした緑を楽しませてくれるに違いありません。段差の効果で家の1階からも庭と抜けた眺望を楽しむことができますが、2階から見下ろすと、高さもあいまって長方形の箱庭のような可愛らしい姿を見せてくれます。
それでは二段目に陣取る家の中へ。実はこの家、建物の中にも段だんが隠れていたのです。1階は廊下を挟んで手前にダイニングキッチン、庭側に和室洋室の3部屋という間取り。この3部屋が一段下がっていて小さな階段がつけられています。2階はさすがにフラットでしょ、と思いきやここにも段だんが。3部屋のうち1部屋だけが一段下に。庭に面した部屋だけが下がっているわけでもないところがなんとも面白い。
水回りは比較的きれいなのでそのまま生活できそうですが、築40年以上のクラシックで味わいある質感や部屋の段差を生かしながらも、ライフスタイルに合わせて手を加えていきたいところです。構造の確認をした上で、例えば部屋数を減らして一部屋をワイドにしてみたり、ダイニングキッチンの位置を庭サイドに寄せてみたりと楽しげな妄想が浮かんできます。
このひな壇を最大限生かしてくださる方お待ちしています。
※本物件のご案内の日程調整については、充分に余裕を持って日時の調整をさせていただいております。急なご依頼をいただきましてもご案内ができかねる場合がありますことをご承知おきください。 |