鎌倉で古くから社寺の土台や擁壁に使われてきた鎌倉石。角が削られ、苔むした石垣などは鎌倉を代表する風景と言えるでしょう。
鎌倉石は凝灰質砂岩(ぎょうかいしつさがん)と呼ばれる火山灰と砂が堆積して固まったもので比較的柔らかく、加工がしやすいため鎌倉時代から昭和の初期頃まで採石されていたとされています。
水分を含みやすいため、湿気のある季節は石全体を覆うように苔がむし、独特のしっとりした雰囲気をつくります。かつて鎌倉の山域では採石が盛んであり、今でも採石場の跡をみることができます。
鎌倉石は風化が早く、耐久性は高くないため現在は建築物に利用することはできません。保存が必要な文化財などの修復には中古を使っているそうです。
現在もお寺の参道や付近の古い住宅地などで見ることができ、ご紹介の物件の擁壁も鎌倉石が使われています。また、この擁壁には日陰で湿気のある場所にしか咲かないイワタバコが群生しています。
オーナーはこの物件を入手する際、このイワタバコが咲く擁壁と平屋の建物は風情のある環境を保つ大切な遺産として考えられたそうです。既存建物を壊して新築すると今の建築基準法では鎌倉石の擁壁を残すことはできないので建物は残し、リノベーションを施し大切に使っていただける方を募集しようということになったのです。
水路がある道から、角が削られた鎌倉石の階段をのぼるとなんとも味わい深い平屋が建っています。間取りは4DK+書斎、サンルーム、外物置があります。廊下がほとんどなく、東側の6畳和室が茶室やゲストを迎える離れのような形になっています。
谷戸の奥にありますが、擁壁の上なので東西は開けていて、敷地は約200坪あり南にお庭があるのでとても開放感があるのです。撮影した日もあたたかな日差しが差し込み、サンルームにいるととても心地よい時間を過ごせました。
この家は築60年以上を経て繰り返し改修されてきたと思われます。今回新たに賃借人を募集するにあたって快適に使用していただくために、オーナー様が全面的にリフォームを計画されています。建物構造、水回り(キッチン、お風呂、トイレ、洗面所)、床・壁・天井、外壁の塗装を改修予定です。エアコンなどの設備については検討中です。
まだ計画段階のため改修の詳細についてや間取りの変更などタイミングによってはご相談が可能です。早く入居者様が見つかれば話し合いをしながら進めたいというオーナー様のご意向です。
赤い線が入った図は暫定の改修案です。例えば台所の位置を変更してカウンターキッチンなど、設備の移動や間取りの変更などご相談可能です。ただし工事計画の状況は変化していきますのでご了承ください。
駐車スペースは縦列駐車でお隣のお家(建物の丘の上にお住まい)と共同使用になります。車の出し入れには協力しあって利用していただくことが前提となります。
利用用途は住居のみです。事務所や店舗などの事業用途ではご利用頂けません。この地での生活や庭の手入れをしていただける方、できれば地域のコミュニティーの中でエリアの保存活動に参加くださる方を募集しているため、セカンドハウスとしての利用もご遠慮頂いております。住みながらのアトリエの利用、事務所的な利用はご相談ください。
また定期借家契約にはなりますが長く住んで頂きたいご要望もあり、再契約のご相談は可能です。保証会社審査、オーナー審査があります。審査時にどのような活動をされているか資料のご提出を求める場合があります。
ここでの生活を味わい、平屋やお庭、イワタバコの群生地などを愛でてくれる方に住んでいただきたいお家なのです。
※募集に際し3月に内覧会を開催いたします。 日時 ①3/12(日) 10:30〜 ②3/12(日) 13:30〜 ③3/25(土) 10:30〜 ④3/25(土) 13:30〜 ※現地集合、現地解散でお願いいたします。 (現地に駐車場はございますが使用しているため、バス・タクシーなどをご利用ください)
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