小坪三丁目は、高級住宅街の披露山庭園住宅団地。小坪五丁目は、華やかなリビエラリゾート。その間に挟まれ、漁師町として逗子の昔懐かしい風景を残す場所があります。
小坪四丁目地区、通称コツ四。ゆったりとした区画の三丁目、五丁目とは真逆で、「道路」という存在がないほどに家が密集しています。
2階で隣家の干している洗濯ものの下を人が通る、他人が自分の敷地を通路として日常的に使う。まるで昭和の映画の世界の様な風景がまだ当たり前に残っている場所です。
家を建替する際に狭い道路については、車がすれ違いで通れるようにする。いわゆるセットバックというものがあります。そういった建替が進み、道路が広くなることが本当に住みやすいことなのか、いつもここに来ると考えさせられてしまいます。
車が通行しないことで目の前で子供が遊んだり、道のど真ん中で井戸端会議が始まっても、クラクションを鳴らされることもヒヤッとするようなシーンに出会う事も少なく、穏やかな生活で安心感も生まれそうです。
この辺りの海やリゾートの雰囲気と相まって、家で過ごす時間がとても過ごしやすいものになるのではないかと思ってしまうのです。そんな人が中心になりやすい街づくりが、自然とされている様に感じます。
幾多の制限があるはずの物件なのに、なぜかいつも以上に気持ちの自由さを生んでくれる物件の様に思います。
ところで、なぜあえてこの様に密集して建てられているのか、はじめはわかりませんでしたが、オーナーが実体験としてのお話をしてくれました。むしろその群とした住宅密集が台風などの強風からそれぞれの家を守ってくれている様に感じるそう。
この密集して建てられていることについては、建築当時は資金や資材も限られた中での建物の守り方、漁師町故の海から離れることもできないという事からの必然かもしれません。
物件についてオーナーが購入した際は、古い民家がただきれいになっただけの状態でした。外観はブラウンのトタン板で一見すると地味な印象ですが、室内に入った瞬間外観の印象を引きずることなく、まさに一変しました。
建具を一部取り払い、各所塗装を施し内装に手を加え、素敵なインテリアとともにご家族で暮らしています。普段インテリアを手掛けている現在のオーナーですが、山梨県にさらなる広大な物件を見つけ、そちらを現在絶賛工事中とのこと。
ご相談いただいた際、はじめは愛着あるこの物件を賃貸で出したいとのことでしたが、山梨の家により集中するため手放すことを決意されました。
そういったお話を伺うと、やっぱりこの辺りは移住の0.5歩目であり、都心からちょうど良いエスケープの距離なのだと思います。
場所も物件自体も、良い意味で大いなるギャップを感じるのでした。
※住宅ローンをご利用の方は、利用できる金融機関が限られる場合がありますので、まずはご相談ください。
※本物件は建築基準法上の道路に接しておらず、原則建物の建築が出来ません。ただし、同法第43条2項2号の基準に適合し、許可を得られた場合にはこの限りではありません。
|