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鎌倉の角 |
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鎌倉に残しておきたい風景のひとつが、この物件を角から見た佇まいです。玄関に近い敷地の角には、石で作られたスペースになんとも言えない情緒を感じます。道路から少しさがった位置にある門扉は、上品さと格式の高さを兼ね備えているようで絶妙な間を感じさせます。 この角を境にした表情の違いも興味深い。西側の道は幅が狭いことで歴史ある街並みを思わせてくれます。他方、北側面は大きな木とその奥に板張り壁に瓦屋根のこの家が風格たっぷりで存在感があります。 北側前面道路は鎌倉の観光客も多く街歩きを楽しんでいて、こうした風景に鎌倉らしさを感じてくれているのではないかと思います。 土地は約120坪と鎌倉駅徒歩圏内ではなかなか出会えない大きさがあります。それがこの価格なのは借地だからです。地代はかかりますが、鎌倉の中心地に活動の拠点を置こうと思えばこの物件にはまだまだ活躍の可能性を感じます。 それは玄関に一歩足を踏み入れた瞬間に確信します(写真26枚目右、23枚目)。三和土は洗い出しの仕上げが美しく、式台から上がり框、そして床柱のような柱は玄関そのものが茶室のような設(しつらえ)になっていて興奮してしまいました。よく見ると美しいだけではなく、靴の脱ぎ履きや立ち上がり動作に役立つ設計になっている点も見逃せません。 もうこの時点で、この家がすばらしいのは確定しているのですが、ここからが本番だったのです(当たり前ですが)。まず廊下(写真4枚目)。これはもうため息レベルで美しい。一般的な日本家屋よりも天井の高さがあることと、長い距離のおかげで迫力があります。様々な柱や戸、襖、階段が並ぶこの廊下。艶が出るまで磨かれた床に時代と共に成熟してきたことが伺えます。 続いてこの廊下の先で光り輝いている茶室へ。このお茶室(写真2枚目)がまたいい。凝った作りの茶室で複雑に数寄屋的な要素を詰め込んだ空間です。写真9枚目の庭が茶室から見た庭の風景で飛石に苔むした地面が美しいです。 そして付書院も素敵でした。私が一目惚れしてしまったのは欄間です。一枚板から切り抜かれた細かい手仕事が、外の光を受けて美しく目に焼き付きました。基本的には庭から入っていただくことを想定されているのだと思われますが、見回すと様々な楽しみ方ができるような設が隠されているようです。 この茶室はお茶をされる方や海外のお客様をお招きする機会がある方には、是非、使いこなしていただきたい。鎌倉でいくつもの茶室を見てきましたが、その中でもここは優秀だと思います。 水まわりの特徴としてはトイレ。こちらは古くからの形を残しながら、現代の洋式トイレがうまく納まっています。そしてトイレの手洗いは銅板でつくられた流し台に木製建具、そしてシンプルな水栓金物のすべてが一体になった経年変化をしていて味わい深い。私は思わず何枚も写真を撮ってしまいました。 この他の水まわりは適宜更新さています。台所は数十年前に更新されているので、改修したいところ。洗面室の洗面台と浴室は比較的新しいものなので、そのまま使うことができます。そして勝手口の外に出れば井戸があります。しばらく使用していないそうなので、使うとなると補修が必要になるかと思いますが、庭のお手入れや防災のことを考えると、再生できるかチャレンジしてみたい。 1階の居室はこの他、和室が8畳、6畳と続いています。8畳間は現在カーペット敷きでピアノを置くための床補強などが行われています。注目したいのは庭に続く窓です。この窓も数年前にリフォームされたのですが、木製の大きな一間サイズの窓なので、障子を外せば大きな窓から庭を楽しむことができます。 話をそのまま庭に移しましょう。この8畳間からは大きなウッドデッキが連続しています。ここから眺める庭は四季折々の季節の変化を楽しめそうです。庭には倉庫もあり、庭仕事道具がしっかり仕舞える場所もあります。 そして極め付けは2階。まるで隠れた天守閣かのように廊下から階段を上がる途中、階段へは引き戸のようなもので塞ぐことができるようになっているのです。うまく説明できないので、詳しくは現地にて。 2階は6畳の和室がひとつだけ。なんだか特別感があります。そして北側の窓からは桜並木を眺める雪見障子があるのです(写真5枚目)。欄干のような部分に肘をかけて眺めたらまた風流な表情になることでしょう(写真25枚目左)。 このように、遊び心にあふれた家なのですが、現在は個人の専用住宅となっています。用途地域は第一種中高層住居専用地域ですので、飲食店や物販店舗、ギャラリーのような使い方については可能性があります。(その場合、借地の地代は上がります。)鶴岡八幡宮から徒歩1分程の場所にこの物件はあるので、それなりに人の通りもあります。 この家はまだまだ使い続けることができる。素敵に改修工事をすることで、これからも鎌倉らしい風景をつくれるのではないかと、どうしても期待してしまう物件でした。
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茶室|複雑な設(しつらえ)には遊びが隠れている!? |
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庭|正面にウッドデッキ、左奥に倉庫があります |
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圧巻の廊下|高い天井に艶のある床が感動的 |
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2階の北側窓|雪見障子をあげるとそこは!? |
>>大きな地図で見る  |
価格 | 6,000万円 | 建物面積 | 149.08㎡ |
管理費 | なし | 修繕積立金 | なし |
所在地 | 鎌倉市雪ノ下三丁目 | ||
交通 | JR横須賀線・湘南新宿ライン・江ノ島電鉄線「鎌倉」駅 徒歩13分 JR横須賀線「鎌倉」駅 バス6分 「大学前」バス停 徒歩1分 |
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建物構造 | 木造 2階建て | 所在階 | |
築年 | 1945年 | 土地権利 | 賃借権 |
敷地面積 | 406.27㎡ | 都市計画 | 市街化区域 |
用途地域 | 第一種中高層住居専用地域 | 建蔽率/容積率 | 60%/150% |
その他費用 | 取引態様 | 媒介 | |
設備 | 公営水道/公共下水/都市ガス | ||
備考 | ペット可/地目:宅地/私道負担:セットバック部分約18㎡が土地面積に含まれています/現況:居住中/引渡時期:相談/借地詳細:契約期間:新規契約20年/非賢固建物2階建に限る/地代:月額158,600円(住居用)、月額183,000円(店舗用)/リフォーム承諾料:リフォーム費用に対して5%/更新料:更新時借地権価格の10%/譲渡承諾料:12%/建物共有名義不可/抵当権設置の承諾不可/契約不適合責任免責/敷地内に井戸あり/駐車場:1台/付属建物あり(物置/木造平家建/8.26㎡)/庭付き/バイク置場あり/駐車場あり/住居兼事務所可 | ||
情報修正日時 | 2023年9月24日 | 情報更新予定日 | 2023年12月13日 |
