賃料：

9万5,000円

面積：

40㎡

少し前の建築雑誌を見ていると、「（狭小地なので）光の井戸を作りました。」なんてフレーズをよく見つけます。この物件は奥に細長いので、間取図を見ているだけの段階ではロフトや窓の存在は確認できませんでした。

その為、洋室は少し暗いのだろうなと思っていましたが、実際に現地に行ってみると、ロフトや吹き抜け、高い位置に窓があり訪れる前の印象とは反対のものでした。バルコニー側から洋室を振り返って見てみると、ポカポカと優しく太陽に照らされた白い壁が光を反射して洋室を明るく包んでいました。

シンプルな間取りですが、バルコニー側はキッチンが存在感があるので、ダイニングとして考えるのが良いと思います。最近は、リビングとダイニングを兼用する考え方も主流になってきて、座面の高さが低いダイニングセットなどもあります。

洋室については、寝室の利用で良いと思いますが、どうしてもリビングやワークスペースが欲しいなどと、このままでは自分の欲しい要素が物件には足りないのではと心配されている方、ご安心ください。まだ先ほどのロフトがありますよ！

このロフトは、天井が勾配になっていて、奥に行くほど低くなりますが、ちゃぶ台とマットレスなどを置く程のスペースはありそうなので、趣味空間やリビングの代わり、ワークスペースに変身しそうです。

ロフトと言えば主な機能は収納ですが、洋室にある収納の容量が割と大きいので、多数の方はここに収まってしまうのではないかと思います。

1点ロフトにおける希望を申し上げさせていただくとすれば、窓を開けたい。特に春や秋には、海からの気持ちいい南風が入ってきて、ここを開けることで快適性がかなり向上しそうです。

このロフトの窓は普通の引違い窓なので、開けること自体は可能だと思いますが、なんと手を伸ばしても届きません。フック付きの長い棒があると良さそうなので、この物件に決めたらまずやることとして、ホームセンターで棒を探すことです。

約10年ほど前、私も鵠沼海岸に住んでいた頃がありましたが、ちょうどロフトがあり、同じ様な間取でした。場所もこの物件のすぐ近くだった事もあり、何だか懐かしい記憶が甦ってきます。

それだけ印象深い場所だったのは、私が当時住んでいた物件も、この物件もそうなのですが、賃貸だけれども造作の建具であったり、洗面のカウンターに木を使っていたり、構造の梁（はり）が見えていたりとなるべく自然素材を使いたいという意思を感じる物件が鵠沼海岸エリアには多い気がします。

そういった優しい部材を使い、何とも言えないのんびりした気候の中で過ごしていると、仕事の緊張もすぐにほぐれてきて、何もしない休日がこれほど心地よいのかと私に教えてくれた場所でした。